嶋田知的財産事務所

地球上に生を受けたからにはグローバルに働きたい

竹下は百年以上の歴史を持つフランス・パリの大手特許事務所で2009年1月から活躍する若き弁理士である。日本から欧州への出願・訴訟のほか、技術の価値を評価して欧州に移転する事業や、模倣品対策に熱意を燃やす。

必勝の覚悟で臨んだ二度目の弁理士試験に敗れたのち、合格までの一年間、自分がこの戦いを続ける意義を自問自答した。「弁理士になって国際的な知財ビジネスをする」仕事を終えて通った自習室で手帳に何度も書き綴った。

弁理士試験合格後、所属機関で海外支所への異動を希望したが、すぐには叶わないことがわかった。複数の他機関からオファーを受けて進路を検討していた頃、弁理士の先輩と食事をする機会があり、そこで最近オルセー美術館を会場にして創立百周年記念パーティーを行なったフランスの特許事務所が話題にのぼった。翌日ホームページ(仏語版)を見たら日本語のできる弁理士を募集していた。英語版のホームページにはなかったので、フランス人を想定していたようだ。しかし、竹下は「チャンス!」と思った。その後二日間文言をよく練って、履歴書と志望動機書を英文で作成して送った。電話インタビュー、フランスでの面接、そして契約と段階的に話は進んだ。結果として弁理士試験に合格して1年かからずに、欧州に職を得ることとなった。意志のあるところに道は通じると強く感じる。

海外に定住して仕事をするのは今回が初めて。そもそもなぜ欧州なのか?「日本人はアメリカばかり見ていますが、世界のGDPの1/3は欧州です。日本の技術を活用するチャンスがたくさんあることを認識してほしいですね。」竹下は欧州市場の大きさと魅力を説く。

子供のころから宇宙好き。宇宙から見た地球の写真がお気に入りだ。いつも視点を宇宙にまで引き上げてくれる。「地球上に生を受けたからには、グローバルに働きたい」竹下の想いの原点は、この写真にある。【2010年11月16日 取材】

竹下敦也 日本国弁理士(CABINET PLASSERAUD キャビネ・プラスロー特許商標事務所)
2007年弁理士登録、2009年1月キャビネ・プラスロー特許商標事務所 日本顧客サービスグループ